彼女が服を着替えたら
気持ちいい‥‥


涙でパリパリになってるであろう顔が
ほぐれていく‥‥


こういう時なんて言葉を返していいか
よくわからない。
そういうのに慣れてないから‥


頭もボサボサで、
化粧なんて殆ど取れてて、
大したオシャレもしてないけど、
このカウンター席で今日は良かったって
本当に思えた


『お待たせ。簡単なものだけど
 摘みながら色々食べてね。
 もし良ければお酒飲む?』


目の前に美味しそうなサラダや
前菜が運ばれてきて、簡単なものには
見えないそれらに槙さんを見上げた。


なんか‥BARなんだけど、並べられたものが
オシャレなレストランに来たような
見栄えでお腹がまた鳴りそうになる


『甲斐田さん一杯飲んだら?
 ちゃんと送ってくし。』


「いえ、そんな‥。東井さん飲めないので、
 今日は大丈夫です。‥‥今度一緒に
 飲める日に飲みますね。」


『‥えっ?
 ‥今度また一緒に行ってくれるんだ?』


少し綺麗な顔がニヤリと笑ってから
また私の頭を撫でてくれたけど、
自分が馴れ馴れしくも自然に発していた言葉に
一気に恥ずかしくなる
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