彼女が服を着替えたら
泣いて匿ってもらい、
お腹を鳴らしてご飯に連れてきてもらい
次回の約束を自分からするなんて‥‥
 

『槙、じゃあノンアルで
 何かおすすめの作って。』


『オッケ、甲斐田さん待っててね。』


目の前で飲み物作ってもらうのなんか
初めてで変にドキドキしてしまう


大人なんだけど、大人の世界に
来てしまい初めての扉を開くような
ワクワク感にも似てる


テレビや映像とかでは見たことあるから
なんとなくイメージが沸くけど、
実際こうして生で見れるなら
次も飲みに来ようかと思ってしまう。


『はい、お待たせ。ミントとレモンベースで
 サッパリとした飲み物作って見たよ。
 臣は烏龍茶ね。』


うわ‥‥すごく綺麗な飲み物‥

ソーダ割りかな?
ミントの葉が浮かべられていて
くし切りされたレモンが浮かんでる


『じゃあ甲斐田さん、お疲れ様。』

「あ、お疲れ様です‥いただきます」


グラス片手にカチンと軽くコップを
鳴らした後、わたしは一口
いただいた飲み物を飲んだ。

なにこれ‥おいし‥‥


泣きすぎて喉が渇いていたのもあるけど、
レモンとミントがかなりサッパリしていて
体が潤っていくみたい‥‥


「すごくおいしい‥‥
 ありがとうございます、槙さん。」


モヤモヤした悲しい気分だったからか、
余計にこの飲み物が今のわたしには
さっぱりとしていて洗い流すのにも
必要に思えるくらい嬉しかった


『‥‥へぇ‥‥甲斐田さん笑うといいね。』

えっ?
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