彼女が服を着替えたら
と‥ともだち!?


私のほっぺたを触りながら友達?


車の室内の薄暗い場所でのまさかの
友達宣言に、なんて答えたらいいのか
全くわからずにぼーっと見つめてしまう


そもそも友達ってどういう感じで
友達になったか頭の中でモンモンと
小さい時から学生を思いだしてみる


あ‥‥そうだ私って
‥‥‥‥異性の友達って一人もいない‥


今日ほんの数時間しか過ごせていない
目の前の上司との時間は、
友達に話すくらい確かに自然でいられた


『フッ‥‥‥ゆっくり考えてみて?
 俺は甲斐田さんといるの楽しかったから
 ‥‥じゃあまた来週な。おやすみ』

「‥‥あ‥‥お、おやすみなさい。」


最初触れた時は冷たかった掌が
離れると、その部分が急に寂しく感じたけど、
車を降りて部屋に入るまで
変に頭が混乱してしまった


ガチャ


「はぁ‥‥」


朝起きて今この瞬間まで、
今日一日がとても長く感じられたのは
少なくとも東井さんのせいだろう


‥‥ともだち‥か。


悠介のことで暫くは恋愛はもうしたくない。

友達なら‥‥


最後に触れた頬にそっと手を当てたまま
眠れないと思った夜にぐっすり眠った

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