彼女が服を着替えたら
『ま、それもありなんじゃない?
 周りから見たら20代も終わりが見えるし
 年齢的には私たち焦る時期でもあるけど、
 恋愛だけが人生じゃないからさ。』


「そうだね‥‥清香忙しいのにごめんね。」


デザイン広告会社に就職した清香は、
今では雑誌やWEBなど、さまざまな分野で
活躍している主任クラスだ。


徹夜続きでなかなかスケジュールも
合わない私たちは、月に一度会えたら
いい方なのに、ずっと長々と友達を
続けて来れている。


清香はわたしのダメなとこも
全部知ってるし話しててラクでいられるから
姉のような家族のような感じかもしれない


『いいのよ、奈央に会うのいつも
 楽しみにしてるんだから。
 それにしても、ほんっと相変わらず女気が
 あんたはいくつになってもないのね?
 元がいいんだから着飾ればいいのに』


「はぁ?いいよ、わたしはこれで。」


ヒールにスカート、アクセサリー、
お化粧や髪型まで女を感じる清香


忙しいのに、
爪だって綺麗にネイルされている。


かたやわたしは、無地のセーターに
細身のパンツにスニーカー。
髪の毛だって適当に一括りに
まとめてるだけの正反対の身なりだ。


前に付き合った人の時に、
清香のような格好を頑張ってし過ぎて
ものすごく疲れてしまったから、
それからは自分がラクなスタイルで
いられるのが1番だと思った。


『本当勿体無い‥‥。でもそれでも何故か
 あんたはモテるからいいんだけどね。』


まぁ、ろくでもないのばっかりですけどね‥‥
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