彼女が服を着替えたら

『東井さん、槙さん、
 この子女子力なさすぎなので、
 ご迷惑じゃなければお願いしても
 いいですか?』

「ちょっと!清香やめてよ。
 東井さんたち気にせず行ってください!!」


変な詮索されたくないから色々話したのに、
美しい笑みで二人に笑いかけてる清香を
慌てて制する。


グイッ

「うわっ!‥‥って、と、東井さん!?」


二人の間に入ったつもりが、
後ろから片手で肩を引き寄せられると
そのまま東井さんにもたれかかってしまった


ん?なに??
なんなのこの状況は?


目の前には目を丸くしている清香がいて、
見上げた背後には、満面の笑みで笑う
東井さんがいる


『相田さん。では任されたので
 しっかりレクチャーしますね。』


『ええ、よろしくお願いしますね、東井さん。
 じゃあまたね、奈央。
 久しぶりに会えて良かったわ。』


「えっ?ええっ!?清香!?」


コツコツとヒールを鳴らして手を振る彼女に
手を伸ばすも、回された腕が阻止して
前に進めない。


‥‥‥これってもう行くしかないの?


『甲斐田さんと一緒に料理できるの
 楽しみだね。さ、槙行こうか。』


槙さんを見上げると、
笑いを堪えているように目を逸らされ、
そのまま背中に手を回されたまま
仕方なく二人に着いて行くことにした。
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