彼女が服を着替えたら
「じゃあ、せっかくなので
 よろしくお願いします。」


『ん、どうぞ。』


スリッパを履いて手を洗わせてもらい、
奥の開かれたままの扉の方へ行き、
そこからこっそりと覗いた。


うわ‥‥‥

オシャレな部屋だし、とっても広い‥‥


本当に東井さんはここで一人暮らしなの?


明るいリビングダイニングは
家族で住めるくらい広く、
キッチンもうちの二倍くらいは広くて
思わず口が開いてしまう。


『甲斐田さんそんなとこにいないで、
 こっちに来て座ってて?そこ寒いでしょ?』


「あ、は、はい、ありがとうございます。」


手招きされた方に向かえば、
初めて生で見るアイランドキッチンがあり、
カウンターチェアに座らせてもらった


ここって‥‥普通のマンションだよね?


賃貸とは思えない設備に
ただただ驚くけど、そんなところに
女子ではなく男性が住んでるってところに
そわそわする


『よし、準備はこんなもんかな。』

「あの、今日は何を作るんですか?」


野菜を洗ったり準備をしている槙さんの
手際の良さに、思わず興味津々になってしまう


『今日は白ワインに合う簡単料理に
 しようかなって。
 トマトのリゾットと、簡単な前菜と、
 鶏ハム使って何か一品作るよ。
 飲みながら作るけど奈央ちゃん飲める?』
< 32 / 169 >

この作品をシェア

pagetop