彼女が服を着替えたら
タメ口を使ってからハッとしてメモから
ゆっくりと顔を上げると、
周りが一気に静まり返り
私の方に視線が集中している


社外では敬語使わなくてもいいやって
思ってたからか、『うん』なんて
素で使っていた‥‥


「あ‥‥あの」

『ワッハッハ!!
 なんだ?甲斐田さんそんなふうにも
 出来るんじゃん!!』
『何?仕事中と違う感じだね!
 そっちの方がいいよ!!』


えっ!?


ゲラゲラと笑う声が室内に響き渡り
驚いた私はビックリして
伝票に書いていた鉛筆を
手から落としてしまった


『はい、落としたよ』


「あ‥‥と、東井さん、すみません。
 あと東井さんだけですが
 お酒何か頼まれますか?」



『ついでに料理も何品か追加で
 頼みに行くから一緒に行こうか。』


「えっ?あ、そうですね。」


立ち上がる東井さんに続いて
個室から出ると、カウンターに
そのまま向かった東井さんは
その場所に腰掛けた。
< 43 / 169 >

この作品をシェア

pagetop