彼女が服を着替えたら
ガチャ


『いらっしゃいませ‥‥あ、奈央ちゃん
 また来てくれたんだ。』


今日も白シャツに黒い腰巻きエプロンをした
槙さんは、相変わらずかっこよくて、
前回も座ったカウンターの隅の席に
東井さんとまた二人で座った。


「槙さんこんばんは。
 この間は美味しい料理を食べれて
 嬉しかったです。リゾットあれから
 作ってみましたよ。」


『奈央ちゃんが喜んでくれたなら
 良かった。今日はアルコール飲む?
 というか二人とももう飲んできたよね?』


『忘年会の帰りなんだ。
 さっぱり系で二つよろしく。』


スマートに私の上着をまた預かって
置いてくれると、槙さんが出してくれた
生ハムやチーズのお通しに二人で
乾杯し直した。


『無理して飲むなよ?
 この間ワイン飲んで寝ただろ?』


「大丈夫。なんか今日はまだ頭が
 思ったよりも冴えてるから。」


何を根拠にそう答えたのか分からないけど、
美味しそうに飲む私を横目でチラッと見る
東井さんに笑顔で答えてみた


『いいじゃん明日休みでしょ?
 臣んとこ泊まってけばいいじゃん。
 なんか二人ともこの間と雰囲気違うし?』


ドキン
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