彼女が服を着替えたら
頭をグシャグシャっと撫でてくれると、
また私の好きな優しい顔で微笑むと
涙でぐしゃぐしゃな顔をポケットから
出したハンカチで優しく拭いてくれた。


あの後もほんとうに家まで着いてきてくれ、
簡単に必要なものを持って
またハルの家に帰ってきていた。


ハルって‥友達に対して
昔からこんなに面倒見いいんだろうか?


あれからもお風呂をすぐに用意してくれ、
湯船の温かさに気持ちが落ち着いたし、
槙さんや他の友達やもちろん彼女にも
こんなふうにしてあげてそうな東井さんの
姿を瞳を閉じて思い浮かべた


私‥‥ほんとに甘えてばかりだな。


仲良くなったきっかけも
悠介に振られてからお腹が鳴ってっていう
スタートなのに、さっきは抱き締めてくれて、
話聞いてやるなんてなかなか言えない。


二回もハルの目の前で泣いちゃったな‥



お風呂を上がって歯を磨いた後、
用意されていたドライヤーで髪の毛を
乾かした私は、リビングのソファに
座るハルのもとへ向かった。
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