彼女が服を着替えたら
『奈央眠そう‥‥もう寝る?』


遠くの方で聞こえる映画の英語が
子守唄のように聞こえ始める頃


いつものように、毛布にくるまって
ソファで映画を見ていると、
睡魔がトコトコやってきた


お酒を飲まなければいいのに
ついつい慎さんのとこに行くと飲んじゃうし、
金曜日って疲れが蓄積するピークでもあるから
起きてたいけど眠い‥‥


いつもは横並びで座って毛布を
かけているのに対し、今日は背中に
ハルの温もりがある状態だから
あったかくて余計に眠くなる。


「ごめん‥‥なんか色々ホッとしたら
 眠くなった‥‥。」


腰に回された腕の中にスッポリと
おさまりつつも首が何度も無意識に
カクカクしてしまう


『ハルまだ見てていいよ‥‥
 私先に寝るから』


東井さんの家に初めて泊まった時に、
ゲストルームが用意されていて、
慎さんも何度か泊まったことがあるらしく、
毎回私もそこを使わせてもらっている


いつも先に寝て運んでもらったりしてるから
意識があるうちに今日は自分で行かなきゃ‥


ハルも言わないけど、
無理して帰ってきてるはずだから
私がここにいると寝られないかもしれないし。



『一緒に寝るんだろ?』


えっ?

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