彼女が服を着替えたら
存在と人それぞれ
『それで?』


ハルの出張も終わった次の週の土曜日の午後、
ハルの家から一旦家に戻って着替えると、
清香に報告したいことがあると呼び出し、
カフェでお茶をしていた。


今日もぬかりないくらい完璧な出立ちは、
眩しすぎて同じ席に座るのも申し訳ないほど
輝いている


「‥‥だから、その‥‥
 東井さんと友達から恋人になりました。」


この報告をする前に、
悠介が一年前に結婚をしていたことを
伝えたらえらく機嫌を悪くさせてしまい、
東井さんとのことを伝えてからも
ピリピリしてるのが伝わってくる


清香はいつも厳しいこと言うけど、
本当に私を心配してくれている。


だから東井さんのことは1番に
伝えておきたかったのだ。


『はぁ‥悠介さんは最低だったね。
 あんたのろくでもない
 経験数にプラスしとくわ。
 奈央の職場の人はさ、
 前にも会ったから大丈夫そうだけど、
 その前に何なの?その友達から恋人って。
 あんたたち何歳なわけ!!?』


うっ!!



「ち、ちがうよ!
 東井さんは、私がずっとろくでもない
 恋愛をしてきたからこそ、
 ゆっくり時間をかけて向き合って
 いきたいって言ってくれたの。
 ‥‥私がまたフラれると怖いって
 言っちゃったから‥‥。」


『はあぁ!!?まあ、
 それは人それぞれペースがあるから
 構わないけど、あんたの都合だけで
 相手を大きく我慢させるのは違うからね?
 向こうは30過ぎの大人よ?
 そこんとこは分かってる?』


「はい‥‥分かってます。」
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