彼女が服を着替えたら
あ‥‥もう着いたのかな?


慌ててパタパタと足音を立てて
玄関先まで行くと、
相手を中から確認した後
玄関の扉を勢いよく開けた。


「ハル!ごめんね?来てもらって。」


『‥‥‥‥』


オフの日は髪の毛を下ろしているハルが、
目の前で私を見下ろして固まっている


「ハル?‥どうかし‥‥た?うわっ!!」



ガチャン



勢いよく玄関の中に入ってきたハルは、
入るや否や、狭い玄関で、
ドラマでよく見る壁ドンを
思いっきりして私を見下ろした。



‥‥もしかして忙しいのに呼び出して
イラッとさせてしまったのかな‥



少し不機嫌そうな表情が怖くて
チラッと見上げた後、気まずくて俯いた



『今日その格好で出掛けたの?』



えっ?格好‥‥?



「あ‥これ?
 ‥き、清香が似合いそうなの選んでくれて、 あ、そうだ、髪の毛も
 久しぶりに切ったんだよね‥‥
 ‥‥‥‥やっぱり変‥‥かな?」



普段は絶対着ない体のラインが出るニットに、
細身のペンシルタイプのスカートを履き、
ボサボサの髪も、トリートメントしてもらい
長さを整えてもらってから柔らかく巻いて
貰ったのだ。



スカート自体履くのが高校生ぶりで、
これが似合ってるのかさえ分からないけど、
とりあえず丈が長めのなら大丈夫と伝えて
清香に全部選んでもらった。


「‥‥ハル?」



『はぁ‥‥やめてくれない?そういう格好‥』

えっ?
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