彼女が服を着替えたら
片手で顔を覆い俯いたハルを見て
一気に顔が青ざめて体が震えていく


どうしよう‥‥


大した用もないのに、こんな格好して
呼びつけるなんて、機嫌悪くなるのも
仕方ないよね‥



「ご‥ごめんなさい‥」

『奈央が可愛すぎて見れない‥‥』


えっ?



覆われた手の奥が見たくて
そっとその手に触れると、
思っている以上に顔を赤くしたハルがいて、
青ざめた顔に一気に火がつく



なに‥‥!?
なんでこんなにハルは照れてるの!?


予期せぬ表情に心臓が変に早くなっていく



「あ、あのね?私、ハルのために今日
 色々どうしたら変われるかなって‥‥。
 私いつも男みたいな服ばかりだし、
 ハルの隣にその‥彼女としていたいから
 ‥‥くだらないけど見せたくて‥ごめん。」


覆われていた手が離れると、
その手がサラサラな私の髪に触れたあと
その毛先に唇を寄せた。


『それは反則‥‥。
 でも俺に見せたかったなら
 ちゃんと見ないとな?
 細い首から綺麗な鎖骨でしょ?それに』



「ハルっ!ふ、普通に見て!!」


手のひらがゆっくりと滑り落ち、
その手が胸に届きそうな時に
慌ててハルの掌を掴んだ
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