彼女が服を着替えたら
『クス‥‥奈央がいいって言うまでは
 触らないよ?
 こうしてゆっくり変わってく奈央を見るのも
 楽しみだから。
 ‥‥ただ今はキスだけさせてくれないか?』


「‥‥うん」



初めてハルとキスしたのはハルの家の玄関。
次は私の家の玄関でムードもないけれど、
落とされた唇に舌先を吸われ、転がされ、
深く熱いキスを交わした。



準備なんて本当はとっくに出来てるんだよ?


ただ私が臆病で弱いからもう少しだけ、
待ってて‥‥ハル



「んっ‥‥もう‥苦し‥‥」


恋人とするキスは、
思いが重なれば重なるほど
唾液が甘く感じられた。


東井さんはいつだって
私の気持ちを優先してくれていた


疲れてても一緒にいてくれたり、
ただの友達なのに泊めてくれたり、
ツラい時も楽しい話も沢山聞いてくれる人だ


立っているのもツラくなる私の腰を
支えてくれ、私も背伸びをしてハルの首に
手を回しキスに答える


この人と出会うために別れてきた恋なら
今なら喜んで受け入れられるよ‥‥


ハル‥‥ありがとう‥‥
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