彼女が服を着替えたら
誰かのためにお金使ってオシャレして、
見せたいなんて思う日が来たことが
私にとってはすごいことだ‥‥


大好きな人と何度もキスをして、
優しく抱きしめてもらって、こうした
簡単そうなことが経験してきたのに
出来てたようで出来てなかった。 



『‥‥‥こんな姿‥俺以外は
 知らなくてもいい。困ったな‥‥ほんと。』


唇を離したあと、腕の中に私を閉じ込めると
ハルがまた大きく溜め息を吐いた


「ハルがこういうわたしは嫌なら
 私はいつも通りで全然いいんだよ?」


ボーイッシュな格好も嫌いじゃないし、
化粧だってこんなに時間かけては
毎日頑張れない


『奈央がしたかったら止めないさ。
 はぁ‥‥‥つかまえといて良かった。』


「ハル?」


『連絡くれてありがとう。
 可愛い奈央の姿がみれて嬉しかった。
 すごく綺麗だ‥‥ほんとに。』


1番見せたかった人に1番言ってもらいたかった
言葉を腕の中で聞けて私はそれだけで
今日起こした行動がとんでもなく疲れたけど、
吹き飛ぶくらい良かったと思えた


< 83 / 169 >

この作品をシェア

pagetop