彼女が服を着替えたら
『奈央、お風呂に行く前に、
 ファイヤーピット囲んで一杯やらないか?』


「ん、いいね。」


バーベキューを堪能してから片付けをした後、
お風呂の準備をしてから戻ると、ハルが
ウッドチェアに座りながら手招きをした。


冷蔵庫から2人分のお酒を取り出して
ウッドデッキに出れば、
空一面に星が出始めて
空気の綺麗さが伝わってくる


だんだん温かくなるファイヤーピット
のそばのウッドチェアに靴を脱いで
座ると、部屋からいつのまにか
ブランケットを持ってきていたハルが
いつものように私の後ろに座ったあと
小さく乾杯をした。


ハルの家も居心地は抜群だけど、
こんな自然の中で同じように過ごすのは
また違った良さがある


「あの‥ハルっていつから私のこと
 その‥‥好きになったの?」


こんな時しかゆっくり聞けないから、
ハルのことをもっと知りたかった。


二年前から同じ職場にいたけど、
挨拶か少し話すくらいしかしたことないし、
飲み会が部署であっても話した記憶もない




『聞きたい?』

「‥うん、聞きたい。」


ブランケットを掛け直して私を足の間に
閉じ込めると、少しだけ抱き締める腕に
力が入ったような気がした



『‥俺は割と異動してきたときから
 奈央のこと見てたよ。
 綺麗な子いるんだなって‥‥』

えっ?
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