振り向けば、キス。
第一章 赤い目のお化け
①序章と言うか始まりというか
「で。その話は本当なのかよ?―――って痛ぇ!氷沙!何すんだよっ」
事件の被害者に対して、あまりにもずけずけとものを言う双子の弟の頭を氷沙(ひさ)は思いっきりはたいた。
仮にも被害者の話を聞いているのだから、もう少しデリカシーを持て。
そんな心情をこめながら、じろっと睨むと弟は肩をすくめてみせた。小うるさいとでも言いたげなその様子に、氷沙はもう一度自分より高い位置にある黒髪を引っ張った。
「痛い、痛いって!氷沙!はげるから!」
「ごめんね。高原くん。うちの弟ってば、全然デリカシーなくて。せっかく相談しにきてくれてるってのに……もう、波樹(なみき)、こら!謝んなさい」
事件の被害者に対して、あまりにもずけずけとものを言う双子の弟の頭を氷沙(ひさ)は思いっきりはたいた。
仮にも被害者の話を聞いているのだから、もう少しデリカシーを持て。
そんな心情をこめながら、じろっと睨むと弟は肩をすくめてみせた。小うるさいとでも言いたげなその様子に、氷沙はもう一度自分より高い位置にある黒髪を引っ張った。
「痛い、痛いって!氷沙!はげるから!」
「ごめんね。高原くん。うちの弟ってば、全然デリカシーなくて。せっかく相談しにきてくれてるってのに……もう、波樹(なみき)、こら!謝んなさい」
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