振り向けば、キス。
②思い出すのは、君の匂い。
同時刻、京都。
***
「ッ――!」
「おい桜お前、今一瞬寝とったやろ?」
いつもの仲間と、繁華街でたむろしていた、いつもの日常に紛れ込んできた、上空の異常。
寒気を覚えて、急に黙り込んだ自分にかけられる声の能天気さに、一気に現実へと引き戻された。
「――いや、ちゃう。変なもんが入ってきた、気がしてん!ほら俺陰陽師やし?何か感じちゃったのよね~」
「またかい!ほんまに桜みたいなんが陰陽師や言うたら、ご先祖様に祟られるで」
「やかましいわ!」