振り向けば、キス。
だったら、何で。もっと早くに自分たちを擁護してくれなかったのか。

氷沙のことが、心配ではないのか?

確かに、雨宮神社を守らなければならないと言う理由は分かる。東の守りの基盤であるここが崩れたら、街が壊れる。


でも、だからといって。

それこそここに自分がいたらどうにかなるものでもない。

唯単に、自分を心配して、ここにとどめる口実なのではないかとも思う。

それは優しさなのだろうとも思う。


それでも、それが今の、「自分」に対して向けられてるものでは似ような、そんな気が、漠然とではあるもののしてしまったのだ。

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