振り向けば、キス。
そんなことを思う自分は、もうだいぶおかしい。

自覚は散々しているはずなのに、一向に頭が回復してはくれなかった。


「――ま、後は俺が守ったるから、楓は前だけ見て突っ走っておいで」


「………ありがとう」


桜の気持ちは、嬉しいと思う。

このあと、どんな事態が待ち構えていたとしても。


やるだけ、やるしかないのだから。


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