振り向けば、キス。
――あたしの力って、いったいなんなの?

この間、腹のうちからわきあがってきたような、あの良くわからない恐ろしい力のことだろうか。


――だめだ、あれは。だって、楓が駄目って言ってたもの!


でも、だとしても。あの力はいったいなんだったのだろう?

何を引き起こす、力なのだろう?


氷沙のそんな疑問に答えるかのように、脳内でまた声が響く。


――月姫の絶大な力さえあれば、君は無敵になれる。弟も、大切な彼も、そのすべてを守れるように、なるんだよ――


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