振り向けば、キス。

「そんなこと、できるの?」


そんな方法があるのなら、なんで今まで誰も勧めてはくれなかったのだろう?


「これは、僕ぐらいにしかでけへんよ。僕は君がさっき言うたとおり、君らが言うところの神さんみたいなもんやからね。

今の楓にはひっくり返ったって、無理な芸当やわ」


氷沙は、自分の額に朱雀の額が押し当てられるのを感じた。こつんと軽い音が聞こえそうなほど軽快に。

朱雀の額は燃えるように熱かった。が、なんだかそれは気持ちがいいもののように思える。


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