振り向けば、キス。
「お前、死んで月姫が喜ぶと思うてんのか!?
思い上がりもたいがいにせぇよ!」
「うるさい!桜に何が分かんねん!
俺の任務は、氷沙の奪還や!これで何の問題もないやろうがっ、どけ!」
楓の激情に反応するように、金のオーラが燃え上がる。
「―――阿呆!俺はお前を守るためにきてんねんっ」
桜の言葉に、楓は一瞬、真顔に戻った。
先ほどまでの、熱さがすべてなくなったような感じ。
それは、本当に一瞬だったのだけれど。
「―――――それは、俺が大事な『天神』やから、やろ?」