振り向けば、キス。
「――っせやから!お前はあほやっていっつも言うてんねん」
それでも。桜が一番嫌になるのは、それ以上何も出来ない自分なのだけれど。
あり得ない、強すぎる力のぶつかり合い。
そこにもうひとつ、力が加わろうとしているのに桜は気がついて、呆然と空を見上げた。
「――――――――月姫」
白い、ただただ白く眩い光の渦。
その中心にいたのは、朱雀と大きな瞳に決意の光を灯した、黒髪の少女だった。