振り向けば、キス。
「お前は、もういらないよ」
前触れもなく、地面が揺れた。
「楓っ……!」
足元が急に無くなった。重力のままに暗闇に堕ちそうになるところを、その場から飛んで避ける。
間髪いれず、着地地点が今度はひび割れを起こし始めた。
「楓、桜早ぅ、乗り」
「朱雀!」
赤の鳥の本来の姿に戻った、朱雀の羽が楓と桜の頭上すれすれに浮かぶ。
二人は、そこに飛び乗った。
朱雀は、ぐんと上昇した。
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