振り向けば、キス。

楓が優しいことも知っているが、楓は、そんな男だった。


それでも、楓が自分たちの傍にいてくれるなら。氷沙を愛してくれているのなら。それでよかった。それなら、自分がこの街を守ればいい。
この街を守る自分を庇う姉ごと、楓はきっと助けてくれるだろうと思う。


「だから、戻ってこいよな。じいちゃんのことも、この街のことも、雨宮も、俺はがんばるから」


願わくば、そのときには姉と二人、笑顔でいて欲しい。



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