振り向けば、キス。

冷たい、冬の風が吹く。


「……学校、着づらいかも知れねえけど、気が向いたらでいいからこいよな」


波樹はかすかに笑ってくれた気がした。

何もかもが崩れていってしまいそうな気がした。
その最後の砦で、記憶の淵に引っかかり続けているのは、きっと。
波樹がこの神社を守り続けようとしているからだ。


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