振り向けば、キス。
波樹の制止の声を振り切って、あたしはその手に己の手を重ねた。
重なり合う運命、逃したくない。一緒にいたい。
その思い、だけだったのに。
「……俺なら、ずっとお前の傍に居てやれる、」
「何言ってるのよ、人間じゃ、ないくせに」
男が触れた指先は、ひやりと冷たかった。
「あたしは、楓さえいれば、それでいいのに」
純な想いが、狂わせ、世界をおかしくさせた。
ああ、それでも、君さえ傍にいてくれたら、そこが永遠。
振り向けば、キス。第二部始動。
「それでも、君の傍に」
近日公開予定!