振り向けば、キス。
――らちがあかねぇっ。
波樹は意を決すと、茫然自失とした状態で、機械的に襲い掛かってくる生徒を、近くにあった掃除用具入れから取り出した長ホウキで、なぎ倒しながら突き進んだ。
廊下を曲がり、階段を駆け上がる。
目指すのは、自分の教室。――氷沙がいるところだ。
「氷沙!」
操られた生徒の大群を何とか交わし、若干満身創痍になりながらも辿り着いた教室に広がっていた光景に、一瞬波樹は立ち尽くした。