桜ヶ丘学園、生徒会執行部へようこそ!〜生徒会メンバーから、なぜか溺愛されちゃってます!〜



誰かに読んでもらえて、的確なアドバイスと課題を教えてくれたことは嬉しかった。

それから私は、マンガに描けるような『恋のネタ』を毎日探し続けている。

生徒手帳と同じサイズのミニノートを買って、【恋のネタ帳】を持ち歩くようにもなった。




「(でも……、恋のネタ帳は今も真っ白なまま)」

だから、今の私には絵の練習に加えて、恋のネタを探すという超重要なミッションまであるんだ。

今でもすっごく忙しいのに、生徒会の仕事までするようになったらパンクしちゃうよ!





「へぇ、まだ断るんだ。でもマンガ研究部はいいの?このままだと廃部だけど」

「うっ。そ、それは……」



廃部になるまで、あと一ヶ月。

マンガ研究部を失くしたくなはい。絶対にイヤだ。

だけど、だからって生徒会に入らなくちゃいけないのはおかしいと思う。




「な、なんとかしてみせます」

「なんとかならないから、わざわざ俺に頼みに来たんじゃないの?」

「……っ」



マンガ研究部が廃部を免れるための条件は、あと一人部員を増やすこと。

どうにか、あと一人だけ入ってくれる人を探さなくちゃいけない。

ここはもう、田辺くんと二人で全力で頑張るしかない!



「と、とにかく!生徒会には入りませんから!」

「……じゃあ、俺の命令に背くってことだね」

「だって、先輩のウラの顔を見たから、だなんて理由、納得できないです!」



私は袴田先輩の前に堂々と立って、そう言い放った。



「ま、いっか。どうせ杏子は生徒会に入らなくちゃいけなくなるんだから」

「なっ!絶対の絶対に、生徒会には入りません!」



強情な袴田先輩に負けず、私もグッと力を込めて先輩の顔を見上げる。

いくらこの学園の生徒会長をしているからって、全部思い通りになると思ったら大間違いだ!




「(とにかく明日から全力で部員募集しなくちゃ!)」

私は力強くそう言って、何度も自分に言い聞かせた。

大丈夫、きっとなんとかなるって。



絶対に袴田先輩の言いなりになんてならないんだから!




< 24 / 24 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

背伸びして、君とありったけのキスがしたい。

総文字数/23,722

恋愛(キケン・ダーク)54ページ

表紙を見る
千瀬垣くんの所有物には絶対ならない!

総文字数/2,885

恋愛(学園)7ページ

表紙を見る
一夜限りだったはずの相手から、甘美な溺愛が止まらない。

総文字数/23,252

恋愛(オフィスラブ)21ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop