【改定版】豚小屋
【第7話】
それから7日後であった。
愛知県警《けんけい》の捜査1課の刑事たちは、全力をあげてふさえとふさこを救出することに取り組んだが、進展はなかった。
今のあずさとひでのりは、難局を乗り切る力はまったくなかった。
7月18日の夜7時過ぎであった。
家の食卓にいるひろつぐの母親とあずさとひであきとほのかの4人は、晩ごはんを食べていた。
この最近、あずさはなまけてばかりいた。
この日の夕食は、電子レンジで作るナポリタンだった。
ひでのりとほのかが幼稚園に行けない状態が長期に渡って続いた。
ふたりは『幼稚園に行きたい…』と泣いた。
「おかーさん…いつになったら幼稚園に行くことができるの?」
「幼稚園に行きたい…お友だちに会いたい…」
「ああ…ごめんね…ごめんね…」
「いつになったら行けるのぉ?」
「今は夏休みだから、9月まで待ってね。」
端にいるひろつぐの母親が怒った声であずさに言うた。
「あずささん!!」
「おばさま…」
「あずささんはどこのどこまでゴーマンな女よ!!」
「おばさま!!あんまりだわ!!」
「やかましい!!あんたこの頃えらそうになってるわよ!!」
「えらそうにしていません!!」
「あずささんはもう母親失格よ!!ひであきとほのかが幼稚園へ行きたいと言うてるのに、行かせないなんてドサイテーよ!!」
「おばさま!!今はふさえとふさこの安否が分からないので、ひであきとほのかは幼稚園に行くことができないのです!!」
「いいわけばかりを言わないでよ!!あんたはひであきとほのかに対してギャクタイをくわえたから許さないわよ!!」
「ギャクタイしていません!!」
「ンマ!!なんなのよ一体もう!!あんたがひであきとほのかばかりをえこひいきしたからふさえとふさこにきらわれたのよ!!」
「えこひいきなんかしていません!!」
「もう怒ったわよ!!ひろつぐが凶悪犯になった原因を作ったのはあずささんに全部あるのよ!!」
「なんでアタシひとりに責任があるのですか!?」
「あんたの妹と弟が東京の大学に在籍している時の仕送りはどこから出たと思っているのよ!!あんたのおとーさんとおかーさんが仕送りができないと言うたからうちの犠牲がさらに増えたのよ!!」
「それじゃあ、どうしたらいいのですか!?」
「あんたの妹と弟の人生をめちゃくちゃにするわよ!!」
「やめてください!!」
そこへ、ひろつぐの父親が真っ青な顔で帰宅した。
ひろつぐの父親は、ものすごくつらい声で母親に言うた。
「きょう…工場が差し押さえられた…」
「差し押さえられたって…」
「裁判所に差し押さえられた…その上に…従業員さんたちが、裁判所にテイソした…」
「テイソ…あなた…従業員さんたちに訴えられたの!?」
「ああ…賃金未払の他に…6ヶ月前に自殺した女性従業員さんの…家族たちが…1億円の損害賠償請求の訴訟を起した…」
「あなた…」
「自殺した女性従業員さんをレイプして…ニンシンさせた…どうしたらいい…」
それを聞いた母親は、よりしれつな声で父親をバトウした。
「出ていきなさいよクソバカテイシュ!!」
「出て行けって…」
「あなたが縫製工場《こうじょう》を興《おこ》す時に開業資金《しきん》を出してくださったにいさんの気持ちをさかなでにしたわね!!」
「ワシは、小さなことからコツコツと積み上げて来たのだよ…」
「ウソばかり言うな!!」
「助けてくれ〜」
「もう怒ったわよ!!」
思い切りブチ切れたひろつぐの母親は、近くに置かれていたニポポ人形で父親の頭を激しく殴りつけた。
(ガーン!!)
「あああああああああああああああ!!頭が痛い!!」
その後、ひろつぐの母親は父親を出刃包丁で刺して殺した。
ひろつぐの母親は、殺人の容疑でケーサツに逮捕された。
さて、その頃であった。
ひでのりは、栄袋町通りにあるキャバクラにいた。
ひでのりは、ホステスの女たちに大金を渡していた。
大金は、ひでのりが区役所の会計の金庫から抜き取った分であった。
金額は、5000万円であった。
金は、指名したホステスの女のコ10人にひとり500万円ずつ渡した。
「ほーら、臨時収入だよ。」
「キャー、うれしい。」
「ねえ、アタシにもぉ…」
ひでのりは、ホステスをはべらせている様子をフェイスブックにアップするなど…チョーシに乗った。
時は、深夜11時50分頃であった。
この時、竹宮がヤクザの男たち30人を連れてやって来た。
「ああ!!アニキ!!多川のクソガキがアニキの女《レコ》にちょっかい出したようです!!」
「なんや!!」
竹宮たちは、ドカドカと足音を立てながらひでのりたちが座っている席にやって来た。
「オドレクソ公務員《ガキャ》!!」
「なんだよ〜」
「よくもアニキの女《レコ》にちょっかいを出したな!!」
「知らないよ!!」
(ガシャーン!!)
ヤクザの男たちは、テーブルの上に並んでいたガラス食器類を壊したあとひでのりに殴りかかった。
「オドレふざけやがって!!」
(ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!)
ヤクザの男たちは、ひでのりをボコボコに殴りつけた。
竹宮は、怒った声で言うた。
「おい、そのクソ公務員《ガキ》も例の場所へ連れて行くぞ!!」
「へえ、わかりました〜」
「それと、クソ公務員《ガキ》の子どもはあと何人いた?」
「ふたりでございます。」
「よしわかった。」
ヤクザの男たちからボコボコに殴られたひでのりは、このあと竹宮たちに無理やり連れて行かれた。
その翌朝であった。
あずさが寝ている間にひであきとほのかが竹宮たちによって連れ去られた。
大事な家族5人をなくしたあずさは、荷造りをしたあと家から出た。
家出したあずさは清水(静岡市)の実家へ帰るつもりでいたが、足が凍りついたので帰ることができなかった。
アタシ…
どうしたらいいの…
実家の家族たちにメーワクをかけたくない…
でも…
やっぱり帰りたい…
愛知県警《けんけい》の捜査1課の刑事たちは、全力をあげてふさえとふさこを救出することに取り組んだが、進展はなかった。
今のあずさとひでのりは、難局を乗り切る力はまったくなかった。
7月18日の夜7時過ぎであった。
家の食卓にいるひろつぐの母親とあずさとひであきとほのかの4人は、晩ごはんを食べていた。
この最近、あずさはなまけてばかりいた。
この日の夕食は、電子レンジで作るナポリタンだった。
ひでのりとほのかが幼稚園に行けない状態が長期に渡って続いた。
ふたりは『幼稚園に行きたい…』と泣いた。
「おかーさん…いつになったら幼稚園に行くことができるの?」
「幼稚園に行きたい…お友だちに会いたい…」
「ああ…ごめんね…ごめんね…」
「いつになったら行けるのぉ?」
「今は夏休みだから、9月まで待ってね。」
端にいるひろつぐの母親が怒った声であずさに言うた。
「あずささん!!」
「おばさま…」
「あずささんはどこのどこまでゴーマンな女よ!!」
「おばさま!!あんまりだわ!!」
「やかましい!!あんたこの頃えらそうになってるわよ!!」
「えらそうにしていません!!」
「あずささんはもう母親失格よ!!ひであきとほのかが幼稚園へ行きたいと言うてるのに、行かせないなんてドサイテーよ!!」
「おばさま!!今はふさえとふさこの安否が分からないので、ひであきとほのかは幼稚園に行くことができないのです!!」
「いいわけばかりを言わないでよ!!あんたはひであきとほのかに対してギャクタイをくわえたから許さないわよ!!」
「ギャクタイしていません!!」
「ンマ!!なんなのよ一体もう!!あんたがひであきとほのかばかりをえこひいきしたからふさえとふさこにきらわれたのよ!!」
「えこひいきなんかしていません!!」
「もう怒ったわよ!!ひろつぐが凶悪犯になった原因を作ったのはあずささんに全部あるのよ!!」
「なんでアタシひとりに責任があるのですか!?」
「あんたの妹と弟が東京の大学に在籍している時の仕送りはどこから出たと思っているのよ!!あんたのおとーさんとおかーさんが仕送りができないと言うたからうちの犠牲がさらに増えたのよ!!」
「それじゃあ、どうしたらいいのですか!?」
「あんたの妹と弟の人生をめちゃくちゃにするわよ!!」
「やめてください!!」
そこへ、ひろつぐの父親が真っ青な顔で帰宅した。
ひろつぐの父親は、ものすごくつらい声で母親に言うた。
「きょう…工場が差し押さえられた…」
「差し押さえられたって…」
「裁判所に差し押さえられた…その上に…従業員さんたちが、裁判所にテイソした…」
「テイソ…あなた…従業員さんたちに訴えられたの!?」
「ああ…賃金未払の他に…6ヶ月前に自殺した女性従業員さんの…家族たちが…1億円の損害賠償請求の訴訟を起した…」
「あなた…」
「自殺した女性従業員さんをレイプして…ニンシンさせた…どうしたらいい…」
それを聞いた母親は、よりしれつな声で父親をバトウした。
「出ていきなさいよクソバカテイシュ!!」
「出て行けって…」
「あなたが縫製工場《こうじょう》を興《おこ》す時に開業資金《しきん》を出してくださったにいさんの気持ちをさかなでにしたわね!!」
「ワシは、小さなことからコツコツと積み上げて来たのだよ…」
「ウソばかり言うな!!」
「助けてくれ〜」
「もう怒ったわよ!!」
思い切りブチ切れたひろつぐの母親は、近くに置かれていたニポポ人形で父親の頭を激しく殴りつけた。
(ガーン!!)
「あああああああああああああああ!!頭が痛い!!」
その後、ひろつぐの母親は父親を出刃包丁で刺して殺した。
ひろつぐの母親は、殺人の容疑でケーサツに逮捕された。
さて、その頃であった。
ひでのりは、栄袋町通りにあるキャバクラにいた。
ひでのりは、ホステスの女たちに大金を渡していた。
大金は、ひでのりが区役所の会計の金庫から抜き取った分であった。
金額は、5000万円であった。
金は、指名したホステスの女のコ10人にひとり500万円ずつ渡した。
「ほーら、臨時収入だよ。」
「キャー、うれしい。」
「ねえ、アタシにもぉ…」
ひでのりは、ホステスをはべらせている様子をフェイスブックにアップするなど…チョーシに乗った。
時は、深夜11時50分頃であった。
この時、竹宮がヤクザの男たち30人を連れてやって来た。
「ああ!!アニキ!!多川のクソガキがアニキの女《レコ》にちょっかい出したようです!!」
「なんや!!」
竹宮たちは、ドカドカと足音を立てながらひでのりたちが座っている席にやって来た。
「オドレクソ公務員《ガキャ》!!」
「なんだよ〜」
「よくもアニキの女《レコ》にちょっかいを出したな!!」
「知らないよ!!」
(ガシャーン!!)
ヤクザの男たちは、テーブルの上に並んでいたガラス食器類を壊したあとひでのりに殴りかかった。
「オドレふざけやがって!!」
(ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!)
ヤクザの男たちは、ひでのりをボコボコに殴りつけた。
竹宮は、怒った声で言うた。
「おい、そのクソ公務員《ガキ》も例の場所へ連れて行くぞ!!」
「へえ、わかりました〜」
「それと、クソ公務員《ガキ》の子どもはあと何人いた?」
「ふたりでございます。」
「よしわかった。」
ヤクザの男たちからボコボコに殴られたひでのりは、このあと竹宮たちに無理やり連れて行かれた。
その翌朝であった。
あずさが寝ている間にひであきとほのかが竹宮たちによって連れ去られた。
大事な家族5人をなくしたあずさは、荷造りをしたあと家から出た。
家出したあずさは清水(静岡市)の実家へ帰るつもりでいたが、足が凍りついたので帰ることができなかった。
アタシ…
どうしたらいいの…
実家の家族たちにメーワクをかけたくない…
でも…
やっぱり帰りたい…