異世界獣人の国で介護施設を始めます!
*
朝の日差しが顔に当たり、その明るさでエンは目を覚ました。
「んっ……暖かい。気持ちいいけどこれは日差しのせいでは無いわよね」
あれ?
ホントにどうしてかしら、布団の中がやけに暖かいのだけれど……。
ん?
何だろう?
右手で目をこすりながら、左手で暖かくてすべすべとした感触を楽しむ。すると張りのあるバリトンボイスが響いた。
「おい。くすぐったいだろう」
「えっ……」
驚きつつもその手を止められずにいると、動かしていた手を取られた。
「おい、くすぐったいと言っているだろう」
もう一度、張りのあるバリトンボイスを聞き、ハッとする。
「でっ……殿下!」
「ああ、そうだが?なぜ驚いている。騒がしい奴だな」
そう言って殿下が笑った。
ふっと笑った顔が日の光を浴びて、美しいく神々しい。
初めて出会った時から思っていた。輝くような金を混ぜたオレンジの髪、空色の瞳、通った鼻筋、男らしい体躯、全てが完璧で美しいと……。ポッと頬を染めて、美しいその顔を堪能していると、殿下が吹き出した。
「プッ……何だその顔は?」
そう言いながら殿下がチュと唇を重ねてきた。
え?
え?
「ええええぇぇぇぇーーーー!」