異世界獣人の国で介護施設を始めます!
私はレーニン様の口に瓶を当て、紫色の液体をゆっくりと飲ませていった。すると、レーニン様の体が紫の光に包まれる。これで大丈夫なのかな?すこし様子を伺っていると、レーニン様の瞼がゆっくりと開いた。
「おはようございます」
レーニン様の呑気な挨拶に、ホッと詰めていた息を吐き出した。
「よかった。レーニン様、体調の悪いところなどはありますか?」
「わたくしは、とっても元気よ。エンちゃんの方が青い顔をしているわよ」
それはあなたのせいですよ。と、言いたくなるのをグッと我慢する。
「はぁーー。今後、同じ事が起こらないように対策を考えなくては……」
ローラ様がお風呂で溺れないようにするのと、レーニン様が魔力を枯渇させないようにする。これが今後の課題だな。
うーん。うーん。と、顎に手を当て考えていると、レーニン様が眉をひそめながらこちらをジッと見つめてきた。
「エンちゃん、どうかしましたか?大丈夫ですか?」
心配して声をかけてくれるレーニン様に、あなたのことで悩んでいるんですよ。とは言えないエンは、はははっと乾いた笑みでごまかした。
エンは本日あったことを記録として残すために、日報を取っていた。
う゛うん……どうしたものかな……。
ペンを手に取り悩んでいると、そこに殿下がやって来た。