異世界獣人の国で介護施設を始めます!

 王様からの許しが出たため、ゆっくりと顔を上げた。すると私の前に金色の髪に、同色のたっぷりとしたひげを蓄えた、威厳のあるオジ様が座っていた。

 イケオジだ!

 若い頃はさぞかしモテただろう。そう思わせるようなイケオジが、豪華な玉座に座っていた。その隣には金糸のようなキラキラの髪を高く結った美しい女性も座っている。きっとこの人がこの国の王妃様なのだろう。王妃様はニコニコとしながら私を見ている。そんな王妃様の隣には、王妃様に似た美しい金髪の美丈夫が立っていた。

 おおーー。

 これはまた……ザッ王子様!

 金髪碧眼、そのまんま絵本の王子!

 この人もモテるんだろうな。そんな事を思いながら王子を見つめていると、王子がニコリと微笑んだ。

 うっわ!

 この笑顔で失神する女子とかいるんだろうな。先ほど侍女さん達からドレスのコルセットを絞めすぎて、貴族の女子はすぐに失神すると聞いた。バッタバッタと倒れる令嬢達を見てみたいな。なんて事を思っていると、隣にいた殿下から冷気が漂ってきた。黒いオーラも漏れ出ている気がする。

 殿下?




< 71 / 141 >

この作品をシェア

pagetop