異世界獣人の国で介護施設を始めます!
異世界で別れ
*
私は施設のある森の奥の屋敷に戻ることが叶わず、やきもきしていた。
レーニン様の病状はどうなったのだろう?
大丈夫なのかな?
どうしたら王城から屋敷に戻れるだろう……。
いっそうのこと、王都に施設を移すことは出来ないだろうか?などと考えていると、レオがある提案を出してきた。
「この状況ではエンを森の屋敷に返すことは出来ない。そこで、施設をこちらに移そうと思うのだがどうだろうか?」
「それ、私も考えていました。そんな事出来るんですか?場所とかも……」
「ああ、それなら大丈夫だ。城の北にある離宮はどうかと考えている。今から行ってみるか?」
「行きます。行きたいです!」
そうしてレオに連れてきてもらったのは、森の屋敷よりも大きな建物だった。
「ここはもう使われていない離宮なんだ。先王の前の王がハーレム用に建てたらしい」
ハーレム……。
それって側室が沢山いたって言うことかな?
私が固まっているの見て、レオが察したのか柔らかく微笑んだ。