天才冷徹ピアニストと譜めくりすと
天才冷徹ピアニストと譜めくりすと
葉月諒といえば、卓越した演奏技術と類まれな容姿で世界にその名を馳せている若手ナンバー・ワンピアニストで、彼が十年前にコンクールで入賞した時、私はファンになった。
その私が、花束を持って彼の楽屋に入れる日が来るなど、つい最近まで夢にも思わなかった。
開演前の最も緊張が高まる時間かと思いきや楽屋は和やかな雰囲気で、私の他にも、パトロンと思しきマダムや、スポンサー企業の社員らしい人、マネージャーなど、数名が集まっている。
葉月諒はまるで王様のように、集まった人々に順番に声をかけ、ついに私のところにやってきた。
(ご挨拶をしなくては!)
必死で暗記してきた文章を思い出す。
その私が、花束を持って彼の楽屋に入れる日が来るなど、つい最近まで夢にも思わなかった。
開演前の最も緊張が高まる時間かと思いきや楽屋は和やかな雰囲気で、私の他にも、パトロンと思しきマダムや、スポンサー企業の社員らしい人、マネージャーなど、数名が集まっている。
葉月諒はまるで王様のように、集まった人々に順番に声をかけ、ついに私のところにやってきた。
(ご挨拶をしなくては!)
必死で暗記してきた文章を思い出す。
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