天才冷徹ピアニストと譜めくりすと
「水上さん、俺のファンだよね?」
「……はい」
「じゃあ、今夜のコンサートで俺が醜態晒すの、嫌だよね?」
「ええ」
「よし、決まった!」
(え、なにが?)
「今夜は水上奏さんが譜めくりすと」
「ええ~!?」
そんな無茶な!!
「だって、音大だろ? 専攻はピアノ。楽譜めくるくらい、ちょろいちょろい」
さっきの瑤子さんの手紙からすると、とてもそうは思えないのだが……でも一回きりだし、緊急事態だから、さすがに葉月諒のパワハラも影を潜めるだろうか。
「奏がやってくれたら、私たちも助かる! 今夜のコンサート、アルバム作るために公開録音なんだ」
親友アイの頼みもあるとあっては、断れるはずがない。
「……わかった」
私だって音大卒だ。集中してやれば、譜めくりくらい、きちんとこなせるはずだ。
「……はい」
「じゃあ、今夜のコンサートで俺が醜態晒すの、嫌だよね?」
「ええ」
「よし、決まった!」
(え、なにが?)
「今夜は水上奏さんが譜めくりすと」
「ええ~!?」
そんな無茶な!!
「だって、音大だろ? 専攻はピアノ。楽譜めくるくらい、ちょろいちょろい」
さっきの瑤子さんの手紙からすると、とてもそうは思えないのだが……でも一回きりだし、緊急事態だから、さすがに葉月諒のパワハラも影を潜めるだろうか。
「奏がやってくれたら、私たちも助かる! 今夜のコンサート、アルバム作るために公開録音なんだ」
親友アイの頼みもあるとあっては、断れるはずがない。
「……わかった」
私だって音大卒だ。集中してやれば、譜めくりくらい、きちんとこなせるはずだ。