この執着がやがて愛になる
 その言葉に彼方は驚く。それは前と同じ言葉で、彼方の真っ直ぐに尽くす短所を長所に変えてくれた言葉で。

「そ、そんな……そこまで……」

「勝手に信じて、勝手に裏切られた思て僕の元から逃げ出したことはチャラにしたる。クビも撤回や。ええか?今度こそ、ええ子でおってな。彼方は僕の命令ならなんでも聞けるやろ?僕に必要な駒やねんから」

 そう言って笑う伏見に、彼方は胸を熱くさせた。一度裏切られた相手なのに、それでも必要としてくれることが嬉しくて。彼方は、やっぱり伏見の役に立てることが幸せだった。
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