策士な支社長は新米秘書を独占的に可愛がりたい
気づいたときは目的の駅到着の10分前。
「よく寝ていたな」と意外なほど近くで声がした。
横を見ると間近に支社長の顔。
「わっ」と、わたしは姿勢を正した。目も一気に覚めた。
あろうことか、わたしは彼の腕を枕にして寝ていたのだ。
アームレストを挟んでいるとはいえ、なんたる失態。
「あ、す、すみませんでした」と深々と頭を下げると、その上から声が降ってくる。
「うまいもんを食う夢でも見てたのか」
「えっ?」
「いや、あまりにも幸せそうな寝顔してたからさ」
正解だ。
大好きなスイーツを食べる夢を見ていた。
でも、なんでそんなことまでわかっちゃうんだろう。
はっとして、わたしは口元に手をやる。
慌てるわたしを見て、支社長はくっくっと小刻みに身体を震わせた。
「大丈夫、よだれ垂らしてたわけじゃないから」
あー、もう、お願いだから、いちいちわたしの気持ちを言語化しないで!
「よく寝ていたな」と意外なほど近くで声がした。
横を見ると間近に支社長の顔。
「わっ」と、わたしは姿勢を正した。目も一気に覚めた。
あろうことか、わたしは彼の腕を枕にして寝ていたのだ。
アームレストを挟んでいるとはいえ、なんたる失態。
「あ、す、すみませんでした」と深々と頭を下げると、その上から声が降ってくる。
「うまいもんを食う夢でも見てたのか」
「えっ?」
「いや、あまりにも幸せそうな寝顔してたからさ」
正解だ。
大好きなスイーツを食べる夢を見ていた。
でも、なんでそんなことまでわかっちゃうんだろう。
はっとして、わたしは口元に手をやる。
慌てるわたしを見て、支社長はくっくっと小刻みに身体を震わせた。
「大丈夫、よだれ垂らしてたわけじゃないから」
あー、もう、お願いだから、いちいちわたしの気持ちを言語化しないで!