策士な支社長は新米秘書を独占的に可愛がりたい
「支社長はいったい、どうするおつもりなんですか? ご両親にわたしみたいな偽の恋人を会わせたって、なんの解決にもならないじゃないですか。お父さまに結婚はどうなったって聞かれたらどうするんですか。もう、あいつとは別れたからって言って、また別の人を連れていくんですか? あんなに支社長のことを大切に思っているお父さまとお母さまを騙すなんて、あんまりだと思います!」
店員さんが注文したアイスティーを持ってきて「ごゆっくり」と去っていったとたん、支社長が話しだす前に、わたしの口から言葉があふれ出してきた。
彼の顔を見たら、心の中のものを全部ぶちまけなければ気が済まないと思ってしまった。
話がまとまらず支離滅裂だろうことは、自分でもわかっていた。でも、止められなかった。
その間、彼は嫌な顔ひとつせず、口を挟むことなく、真剣な顔をして、じっと、話を聞いていてくれた。
そして、わたしがふーっと大きなため息をつき、グラスに手を伸ばしたとき、ようやく口を開いた。
「有希乃の言いたいことはわかった。でも、心配する必要も腹を立てる必要もまったくないよ」
どうして、そんなことが言えるんだろう。
わたしごときが、口を挟むなということだろうか。
店員さんが注文したアイスティーを持ってきて「ごゆっくり」と去っていったとたん、支社長が話しだす前に、わたしの口から言葉があふれ出してきた。
彼の顔を見たら、心の中のものを全部ぶちまけなければ気が済まないと思ってしまった。
話がまとまらず支離滅裂だろうことは、自分でもわかっていた。でも、止められなかった。
その間、彼は嫌な顔ひとつせず、口を挟むことなく、真剣な顔をして、じっと、話を聞いていてくれた。
そして、わたしがふーっと大きなため息をつき、グラスに手を伸ばしたとき、ようやく口を開いた。
「有希乃の言いたいことはわかった。でも、心配する必要も腹を立てる必要もまったくないよ」
どうして、そんなことが言えるんだろう。
わたしごときが、口を挟むなということだろうか。