策士な支社長は新米秘書を独占的に可愛がりたい
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予定外に愛し合ってしまったため、危うく伯父さんとの約束に遅刻しそうになったけれど、なんとか無事、話し合いを終え、わたしたちは帰途についていた。
「今日もいい天気だから、富士山バッチリ見えますね、今度は達基さんがそっちに座ってくださいね」
そう言って、窓側に座ってもらおうと思っていたのだけれど「いや、有希乃がそっち」とやっぱりわたしに譲ってくれた。
昨日、新幹線に乗っていたときは、まだ、気持ちが通じ合っていなかったんだと思うと、とても不思議な気がする。
緊張でいつ倒れるかと思っていた往路とは、まるで気分が違う。
なにせ、今は、隣に座る達基さんと、指と指を絡め合ってたりしてるのだから。
「有希乃」と達基さんが話しかけてきた。
「どうして俺が有希乃のネット動画に気づいたと思う?」
わたしはちょっと考えてから言った。
「えーと、達基さんもピアノが好きだからじゃないんですか。それで偶然見つけた、とか」
「いや、いくらなんでも、それはあり得んだろう。ピアノ動画なんて、それこそ星の数ほどあるんだから」
「それもそうですね。じゃあ、なんでですか?」
「5月ぐらいだったかな。まだ、有希乃が俺の秘書になったばかりのころ、見かけたんだよ、渋谷で」
「今日もいい天気だから、富士山バッチリ見えますね、今度は達基さんがそっちに座ってくださいね」
そう言って、窓側に座ってもらおうと思っていたのだけれど「いや、有希乃がそっち」とやっぱりわたしに譲ってくれた。
昨日、新幹線に乗っていたときは、まだ、気持ちが通じ合っていなかったんだと思うと、とても不思議な気がする。
緊張でいつ倒れるかと思っていた往路とは、まるで気分が違う。
なにせ、今は、隣に座る達基さんと、指と指を絡め合ってたりしてるのだから。
「有希乃」と達基さんが話しかけてきた。
「どうして俺が有希乃のネット動画に気づいたと思う?」
わたしはちょっと考えてから言った。
「えーと、達基さんもピアノが好きだからじゃないんですか。それで偶然見つけた、とか」
「いや、いくらなんでも、それはあり得んだろう。ピアノ動画なんて、それこそ星の数ほどあるんだから」
「それもそうですね。じゃあ、なんでですか?」
「5月ぐらいだったかな。まだ、有希乃が俺の秘書になったばかりのころ、見かけたんだよ、渋谷で」