どいつもこいつも愚か者。私が一番愚か者! 〜第二の人生は魔王のスネをかじって面白おかしく生きることにしました〜
36話 円卓と大腿骨
広い会議室では、魔王と愉快な仲間達が巨大な円卓を囲っていました。
扉から一番遠い正面に当たる席──世に言うお誕生日席にギュスターヴが、その右隣にノエル、左隣には見知らぬ女性が陣取っています。
会議室にいたのは、ギュスターヴも含めて十名。
どピンクのコウモリ姿の吸血鬼ジゼルと、ほぼ裸の夢魔オランジュの姿もあります。
ノエルとジゼルの間には、上半身が人間で下半身が馬の姿をした者と、全身が灰色の毛に覆われた狼の顔をした者が座っています。ケンタウロスと人狼でしょうか。
その他、ギュスターヴの左隣の女性を含めて面識のない者ばかりかと思いましたが……
「──あーっ!? あんたぁ!! ここで会ったが百年目っ!!」
扉に一番近い席──つまり、最も下座にいた者が私を指差して叫びます。
その耳障りな声に顔を顰めつつ、私も口を開きました。
「あら、骨」
「ほ、骨……骨って……骨ですけど! 他に言いようありませんかね!?」
ガタリと椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がって喚くのは、ボロボロの黒衣を纏った、いかにも死神といった風体の骸骨。
いつぞや、私がヒヨコとともに魔界の門を出ようとした際に立ち塞がった、あの門番です。
モブ門番その一くらいの認識でしたが、意外や意外。
末席とはいえ、幹部会議に呼ばれるような立場にあったようです。
たしか、プルートーとかいう名前だったような気がします。
そのプルートーが目を釣り上げて──いえ、骸骨なのでぽっかり開いた眼窩があるだけなのですが──こちらに詰め寄ってこようとしました。
ところが、彼は突如ぴたりと動きを止めます。
上座にいたギュスターヴが口を開いたからです。
扉から一番遠い正面に当たる席──世に言うお誕生日席にギュスターヴが、その右隣にノエル、左隣には見知らぬ女性が陣取っています。
会議室にいたのは、ギュスターヴも含めて十名。
どピンクのコウモリ姿の吸血鬼ジゼルと、ほぼ裸の夢魔オランジュの姿もあります。
ノエルとジゼルの間には、上半身が人間で下半身が馬の姿をした者と、全身が灰色の毛に覆われた狼の顔をした者が座っています。ケンタウロスと人狼でしょうか。
その他、ギュスターヴの左隣の女性を含めて面識のない者ばかりかと思いましたが……
「──あーっ!? あんたぁ!! ここで会ったが百年目っ!!」
扉に一番近い席──つまり、最も下座にいた者が私を指差して叫びます。
その耳障りな声に顔を顰めつつ、私も口を開きました。
「あら、骨」
「ほ、骨……骨って……骨ですけど! 他に言いようありませんかね!?」
ガタリと椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がって喚くのは、ボロボロの黒衣を纏った、いかにも死神といった風体の骸骨。
いつぞや、私がヒヨコとともに魔界の門を出ようとした際に立ち塞がった、あの門番です。
モブ門番その一くらいの認識でしたが、意外や意外。
末席とはいえ、幹部会議に呼ばれるような立場にあったようです。
たしか、プルートーとかいう名前だったような気がします。
そのプルートーが目を釣り上げて──いえ、骸骨なのでぽっかり開いた眼窩があるだけなのですが──こちらに詰め寄ってこようとしました。
ところが、彼は突如ぴたりと動きを止めます。
上座にいたギュスターヴが口を開いたからです。