どいつもこいつも愚か者。私が一番愚か者! 〜第二の人生は魔王のスネをかじって面白おかしく生きることにしました〜
「──っ!? こらー!! 何すんのー!!」
一つ一つ、てんで別々の方角へと投げたのでした。
これに喜んだのは犬達です。
犬というのは、投げられたものを追いかけずにはいられない性分なのでしょう。
ちぎれんばかりに尻尾を振った十頭の犬達は、それぞれ散り散りに骨を追いかけて走っていってしまいました。
「あああ、あんたらーっ! なーんてことするんですかっ!! 怒りますよ!?」
「どうぞ?」
「いや、どうぞって……ひい……犬ども! 全然私の骨を拾ってこないじゃないですかっ!!」
「あらー、みなさん、おいしそうに齧ってらっしゃいますねぇ」
頭蓋骨は私の足下に転がってカタカタと文句を言っておりますが、なるほどこれが負け犬の遠吠えというやつですね。実に無様です。
ともかく、門番を倒したのでいざ門を開けましょう。
ヒヨコがですが。
私は唯一手元に残した一本──門番の左の大腿骨をぐっと握り直して、ズズズ……とたいそうな音を立てながら開き始めた門に向かい合いました。
足下では、頭蓋骨がカタカタと慌てています。
「こらっ、およしなさいってば! 死人が地界に戻ったって、ろくなことはありませんよ!」
「私には、どうしても救いたい人がいるのです」
「思い上がるんじゃないですよ! 死人のあなたに生きている人間が救えるはずないじゃありませんか! 業を重ねるだけです!!」
「……うるさい」
門番の言葉に、私はぎゅっと眉間に皺を寄せます。
一つ一つ、てんで別々の方角へと投げたのでした。
これに喜んだのは犬達です。
犬というのは、投げられたものを追いかけずにはいられない性分なのでしょう。
ちぎれんばかりに尻尾を振った十頭の犬達は、それぞれ散り散りに骨を追いかけて走っていってしまいました。
「あああ、あんたらーっ! なーんてことするんですかっ!! 怒りますよ!?」
「どうぞ?」
「いや、どうぞって……ひい……犬ども! 全然私の骨を拾ってこないじゃないですかっ!!」
「あらー、みなさん、おいしそうに齧ってらっしゃいますねぇ」
頭蓋骨は私の足下に転がってカタカタと文句を言っておりますが、なるほどこれが負け犬の遠吠えというやつですね。実に無様です。
ともかく、門番を倒したのでいざ門を開けましょう。
ヒヨコがですが。
私は唯一手元に残した一本──門番の左の大腿骨をぐっと握り直して、ズズズ……とたいそうな音を立てながら開き始めた門に向かい合いました。
足下では、頭蓋骨がカタカタと慌てています。
「こらっ、およしなさいってば! 死人が地界に戻ったって、ろくなことはありませんよ!」
「私には、どうしても救いたい人がいるのです」
「思い上がるんじゃないですよ! 死人のあなたに生きている人間が救えるはずないじゃありませんか! 業を重ねるだけです!!」
「……うるさい」
門番の言葉に、私はぎゅっと眉間に皺を寄せます。