どいつもこいつも愚か者。私が一番愚か者! 〜第二の人生は魔王のスネをかじって面白おかしく生きることにしました〜
「そうだ! 何もかもわけが分からない! 分からないことだらけだっ!!」
突如、国王陛下が髪を振り乱した叫び始めたのです。
さらには、お隣に並んだ第二王妃の死顔よりもまだ凄まじい形相で私を見上げて言いました。
「確かなのは、君が死んで、エミールも、ジョーヌも、この国も、何もかもが狂ってしまったということだけだ! ──もう、たくさんだっ!!」
何という言い草でしょう。
そもそも私が死んだのは私のせいではないはずです。
それなのに、全ての元凶が私であるかのような国王陛下の言葉に、さしもの私もカチンときましたよ。
「頼む……頼むから消えてくれ、アヴィス! これ以上、この国を掻き乱すのはやめてく……っ!?」
狂ったように喚き続ける国王陛下の生首を、ヒヨコが剣の柄で殴りつけて昏倒させていなければ、私が蹴っ飛ばしていたかもしれません。
生きている間も、死んで新しい身体になってからも、人を蹴ったことはまだ一度もございません。