どいつもこいつも愚か者。私が一番愚か者! 〜第二の人生は魔王のスネをかじって面白おかしく生きることにしました〜
15話 一緒に帰ろう
「ところで、アヴィス」
「はい」
悠然と階段を下っていたギュスターヴが、ふいに足を止めます。
不思議に思った私が彼の肩口に落としていた視線を上げますと、相変わらず鮮やかな赤とかち合いました。
しばしの見つめ合いを経て、先に口を開いたのはギュスターヴです。
彼は、何やら一つわざとらしい咳払いをしてから続けました。
「後ろの死人とは、どういう関係だ」
「え? ……あっ、ヒヨコ!」
私とギュウターヴから十段ほど距離を置いて、足音もなく付いてくるのはヒヨコでした。
はるばる地界まで付き合ってくれたというのに、私ときたら自分のことで手一杯で、彼の存在を今の今まですっかり忘れていました。
それを申し訳なく思いつつも、私はひとまずギュスターヴの質問に答えます。
「見ての通り、可愛いヒヨコです」
「ふむ、ヒヨコ……彼氏ではなく?」
「どこからどう見ても、ヒヨコでしょう?」
「なるほど。そうか……違うのか……」
ギュスターヴはグリュン城の門番トニーみたいに、私のヒヨコ発言に突っ込んでくることはありませんでした。
それどころか、なんだかほっとした様子でうんうんと頷いています。
「うむ、彼氏でないならばいいんだ。さすがに、まだアヴィスには早すぎるからな」
「何が早すぎるんですか?」
「はい」
悠然と階段を下っていたギュスターヴが、ふいに足を止めます。
不思議に思った私が彼の肩口に落としていた視線を上げますと、相変わらず鮮やかな赤とかち合いました。
しばしの見つめ合いを経て、先に口を開いたのはギュスターヴです。
彼は、何やら一つわざとらしい咳払いをしてから続けました。
「後ろの死人とは、どういう関係だ」
「え? ……あっ、ヒヨコ!」
私とギュウターヴから十段ほど距離を置いて、足音もなく付いてくるのはヒヨコでした。
はるばる地界まで付き合ってくれたというのに、私ときたら自分のことで手一杯で、彼の存在を今の今まですっかり忘れていました。
それを申し訳なく思いつつも、私はひとまずギュスターヴの質問に答えます。
「見ての通り、可愛いヒヨコです」
「ふむ、ヒヨコ……彼氏ではなく?」
「どこからどう見ても、ヒヨコでしょう?」
「なるほど。そうか……違うのか……」
ギュスターヴはグリュン城の門番トニーみたいに、私のヒヨコ発言に突っ込んでくることはありませんでした。
それどころか、なんだかほっとした様子でうんうんと頷いています。
「うむ、彼氏でないならばいいんだ。さすがに、まだアヴィスには早すぎるからな」
「何が早すぎるんですか?」