この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
私もおにぎりを手に取って食べはじめる。
すると視界の隅に、一葉くんの姿を見つけた。
「一葉くん!」
私が声をかけると、一葉くんは軽く手を挙げて去ってしまった。
「ありゃ…一緒に食べるかと思ったんだけどな」
一葉くんのご家族も来ているだろうし、もしよければ一緒に食べたかったんだけど。
私が残念そうにしてると、お姉ちゃんが心配そうに言った。
「いっちゃん大丈夫かな?」
「大丈夫って?」
「いっちゃんのご両親、先週だか先々週くらいから海外出張だって聞いたけど」
「え!そうなの?!」
「いっちゃんから聞いてない?」
「なにも聞いてないよ」
「そっかぁ、あの子、人にあんまり頼ろうとしないからねえ。ちゃんとご飯食べてるのかな」
お姉ちゃんの言葉に、私も心配になってくる。
「私、ちょっと行ってくるよ!」
おにぎりを2個手に持って、私は一葉くんを追いかけた。