この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
午後の競技は応援合戦からスタート。
各組が応援団を筆頭に声出しや掛け声なんかで、自分たちのチームを鼓舞(こぶ)していく。
それからは、綱引きや騎馬戦なんかがあって、最後にクラス対抗リレー、学年混合組対抗リレーがあった。
一葉くんは当然リレーの選手に選ばれていると思っていたけれど、驚いたのは、いおり先輩がリレーの選手に選ばれていたことだった。
「え…、いおり先輩!?」
私はトラックの内側でビブスを付けて準備をするいおり先輩らしき人影に、目を疑った。
「いおり先輩が、リレー!?」
ふだんのいおり先輩からはまったく想像がつかない。
走るなんて全然しなさそうなおっとりマイペース加減。そんないおり先輩がリレーの選手?
リレーの選手に選ばれるってことは、足が速いってことだよね?
学年混合のリレーは、一年生から三年生の6人でバトンを渡して走る。
なんとアンカーは三年のいおり先輩、そのバトンを渡すのが一葉くんのようだった。
私はふたりの様子をはらはらと見守る。
顔を合わせる度に、なぜか口げんかのようになってしまうふたりだ。
バトンパスなんて、うまくいくのかな…。
私の心配をよそに、学年混合リレーがはじまる。
赤組、白組、両者一歩も譲らない走り。
少しだけ赤組の方が早いかな?
ほぼほぼ互角の中、第三走者へとバトンが渡る。
しかしそこで白組はバトンパスが少しもたついてしまった。
それを見逃さなかった赤組が、少し白組を引き離す形でトラックを走る。