この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

 差は縮まらないまま、第五走者である、一葉くんにバトンが渡った。


 前を走る赤組に、ぐんぐんと距離をつめていく一葉くん。


「がんばれーっ!」


 私も応援に熱が入る。


 やっぱり一葉くん速い…!これなら追いつけそう!


 けれどだいぶ距離は縮まったものの、リードすることはできないまま。


 アンカーのいおり先輩へとバトンが渡った。


 いおり先輩はいつもと変わらず、のんびりとテイクオーバーゾーンにいたのだけれど、バトンを受け取ると、これまた驚くくらいの猛スピードで走り出した。


 赤組とのわずかな差が、ぐんぐんとなくなっていって、ついには赤組を抜いてしまった。


 歓声がわく。みんなの興奮も最高潮になっていた。


「いおり先輩―っ!!がんばれー!!!」


 私も精一杯、声を出して応援した。


 いおり先輩はそのまま赤組との差をどんどんつけて、そのまま一位でゴールした。


 大逆転勝利にわーっと声が上がる。


 女子だけでなく、男子からもいおり先輩を称える声が聞こえていた。


「あの先輩だれ!?」「超かっこいいんだけど!?」「あの先輩すげーな!」「かっこよすぎるだろー!?」


 私もいおり先輩、一葉くんのがんばりに心から大きな拍手を送った。


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