この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
4 さびしいときのわいわいカレー
……お、…みお……。
だれかが呼ぶ声がする…。だれだろう…?
「起きないみたいだし、とりあえずキスでもしておこうかな」
「んん!?!?」
私はぱちっと目を覚ました。
「やあ、おはよう、美桜」
「い、いおり先輩…」
目を覚ますと、なぜか私の頭はいおり先輩のひざの上に乗っていて、そこで眠っていたようだった。
「お邪魔したら美桜がかわいらしく寝ていたもんだから、起きるまでのんびり待ってたんだけど。いつもならそろそろ晩ご飯を作る時間だったから声かけちゃった。まだ寝ていたかったかな?」
「あ、いえ!起こしてくれてありがとうございます!ちょっと休むつもりが、寝ちゃってたみたいで」
「体育祭で疲れたんだね。朝もお弁当作りで早かったんだろうし。お疲れ様」
いおり先輩はそう言いながら、私の頭をなでた。
お姉ちゃんになでられるのとは違って、壊れ物に触るみたいに優しくなでてくれる。
その手が温かくて心地よくて、また眠ってしまいそうになった。
「って!いおり先輩こそ!疲れているはずです!」
「?」
いおり先輩はまったくなんのことかわからない、とでも言うかのように首をかしげる。