この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

 いおり先輩は普段うちに来てのんびりしているわりに、成績がいいらしい。


 成績の順位が張り出されることはないけれど、5教科500点中、ほぼ500点だと以前言っていた。


 「どうしたらそんなにいい成績が取れるんですか!?」と詰め寄ったところ、どこぞでよく聞く答えしか返ってこなかった。


 曰く、「普通に授業受けていればいいだけじゃない?テストは教科書通り出るんだし」である。


 頭のいい人がよく言う、定型文である!


 なんだか悔しい…私も日頃から授業ちゃんと聞いてるのに…!


「いおり先輩にはわからないかもしれないですけど、今テスト期間でナイーブです!ご了承ください!」


 私はぱくぱくとホットケーキを口に入れていく。


 脳をはたらかせるにはまずご飯!そして甘いもの!これしかない!


 いおり先輩がぽつりと口を開く。


「美桜はさ、どうしてそんなにいい成績が取りたいの?」


「え?」


「中学なんて義務教育なんだから、いくら成績が悪くたって卒業できるでしょ?」


「それはそうですけど…」


「将来なにか目指しているものがあるの?」


「将来…」


 なぜかその単語にどきっとしてしまった。

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